「冷え」の原因は意外にもストレスかも？改善策はある？

あなたは「冷え」を感じていますか？というアンケートに対し、８割近くの人が「冷え」を感じると答えているそうです。

「冷え」って一体何なの？

「冷え」を放っておくとどうなるの？

「冷えとり」のスペシャリスト、医学博士で麻布ミューズクリニック名誉院長の渡邉賀子先生が雑誌「ＭＹ　Ａｇｅ」で冷えの原因と解決策を指南されていますので、ご紹介したいと思います。



 

 

体を冷やす原因は？

冷えが起こるおもなメカニズムは

１．熱を作るのがうまくいかない。

２．熱を配るのがうまくいかない。

このふたつ。

食事は熱を作るエネルギーの大もと。

食欲が低下したり、胃腸が弱って栄養が吸収されなかったり、食事制限によるダイエットも熱を作る材料不足につながります。

熱の約６割を作っているのは筋肉なので、適度な運動も不可欠。

こうして作られた熱が体の隅々まできちんと運ばれると”どこも冷えていない状態”になります。

 

しかし、熱をうまく作れても動脈硬化などの血管の問題、ドロドロ血や貧血など、血液に問題がある場合は「配る」ことがうまくいかなくなるので、これも冷えの原因になります。

 

もう一つ、冷えに大きく関係するのが「自律神経」。

交感神経は緊張時に優位になる神経で末梢血管を収縮させます。

副交感神経はリラックス時に優位になる神経で末梢血管を拡張させます。

副交感神経が優位になると、血流がよくなって冷えの改善につながります。

 

忙しかったり、夜までパソコンやスマホを見ていたり、ストレス過多の生活が続くと、リラックスのスイッチが入らず、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなります。そうすると末梢血管が収縮して血流が悪くなります。

 

血流の実験では被験者の苦手な人の名前を言っただけでも末梢血管が収縮したそうですよ。

このようなストレスによる末梢血管収縮も熱を配ることを阻害する要因になり、冷えの原因になります。

 

夕方にはリラックスモードへ切り替え、夜になる頃には十分に副交感神経が優位になっている生活ができると熟睡出来て冷えは自然と改善していくはずとのこと。

ただ、現代人は皆とても多忙な毎日でいつも頭はフル回転している人が多く、こういったストレスの多さも冷えの原因になっているようです。

 

リラックスモードになる簡単な方法は？

ぬるめのお風呂に入ること。

３８～４０℃くらいが、皮膚が「安心、安全、リラックスしていいよ」と感じるおススメの温度です。

「冷え取り」のために靴下の重ね履きなどでケアする人も多いですが、手足などの末端を温めるのは原状回復にはなっても根本的は解決にはなりません。

末端を温めるより先に、まずは内臓が集まるお腹周りを冷やさないようにして”深部体温”を保つことがポイントです。

 

冷え取りのためにはどんな生活を心がけるべき？ポイントは3つ。

☆決まった時間に朝食をとる。

温かい食事で体を温め、胃腸を動かしてあげることが大切！！

食べ物がきちんと消化・吸収され、肝臓で代謝されるなどの過程で熱が生まれます。

 

☆筋肉をつける。

身体の熱の約６割を作っているのは筋肉ですが、女性は男性より筋肉量が１割ほど少ないので冷えやすいようです。

ヨガやストレッチなどで柔軟性のある筋肉を作るのがおススメ。

更年期世代に最もおススメなのは骨盤底筋を鍛えること。骨盤底で内臓を唯一支えている骨盤底筋は、加齢とともに緩みがちなのでＱＯＬ（クオリティ・オブ・ライフ）の観点からもとても重要です。

骨盤底筋の鍛え方はこちら

ちなみに脂肪は保温の役割があり、つきすぎてもよくありませんが、冷えない体にとっては体脂肪率２０～２５％くらいが理想です。

 

☆楽しく過ごすこと。

渡邉先生は最も重要といっていいほど「楽しく過ごすこと」が大事とおっしゃいます。

ストレスは血管を収縮させ、血流を悪くし、冷えの原因になります。ゆったりリラックスした気持ちで過ごすことは体を冷やさないことにつながるそうです。

 

毎日忙しい現代人にはなかなか難しいところもありますが、放置せず早めの改善を心がけましょう。